筋膜リリース(FLFR:functional link fascia release)について

筋膜ってなに?

筋膜(fascia)とは身体の表面を覆う薄い膜で皮膚のすぐ下の皮下脂肪のなかにある浅筋膜と、筋肉の表面にある深筋膜がありこの2つの膜のことをいいます。筋膜は全身を覆っていて、複雑につながっています。

筋膜リリースってなに?

通常、筋膜とその下にある筋肉は滑るように動きます。しかしながら、何らかの原因で滑りにくい状態(滑走不全)が起こります。

滑走不全の状態とは例えば、雨降りの中、傘をささずにズボンがびしょ濡れになったと仮定します。その状態でしゃがもうとした際に濡れたズボンと脚が貼り付いてしまい上手にしゃがめません。その状態でしゃがもうとすると自然とズボンを少したくし上げてズボンと脚の間にスペースを作ってしゃがむようにした経験は皆さんあると思います。筋膜と筋肉の関係は、ズボンと脚の関係に似ていて筋膜と筋肉が貼り付いてしまう事によって動かしにくくなります。ズボンと脚の間には血管や神経が介在しないので、しゃがんだ際にズボンが引き攣って曲げにくいという感覚のみ出現しますが、筋膜と筋肉の間には神経や血管が介在します。したがって無理な動きをした際には痛みや違和感を感じます。その痛みの原因となる貼り付いた筋膜と筋肉の間を剥がして滑走を改善する方法を筋膜リリースといいます。筋膜をリリースする場所は痛みが出ている箇所や、痛みが出ている部位と関連性のある部位になります。

組織間リリース(ISR®Inter-Structural Release)について

組織間リリース®とは、組織同士をゆるく結合している疎性結合組織をリリースすることを意図した徒手的治療法です。

このテクニックは、元広島国際大学教授である蒲田和芳が20年間に渡り徒手療法の技術開発に取り組んだ結果たどり着いた技術です。

この技術を身に着けると、筋膜だけではなく、あらゆる軟部組織(=皮下組織、筋、腱、神経、骨膜など)を対象として、組織間の癒着を解き、滑らかに動くよう改善することができ、①痛みの改善 ②身体の歪みの補正 ③正常な筋機能の獲得 等が期待できます。

当院では主に筋膜リリースと組織間リリースを使った施術を施行しています。